統計確率 3 PROBABILITY 3 石川源晃著
統計を論じる前に事前確率を検討する第3番目
の例として、天体間に形成されるアスペクトの
統計的な研究を説明します。それぞれの天体の
動きも平均値から不安定にずれるのですから、
2個の天体の間に形成されるアスペクトが発生
する割合も年によって変化します。たとえば、
筆者が研究した世界各地で発生した576件の
航空機事故の場合には、事故が発生した期間
の1921年から1974年までの54年間の天体
の動きの詳細を調査します。左上の図はその
期間の太陽と火星の間で自然の動きで現され
る角度差が発生する割合を描いたものです。
航空機事故の発生を考える前に、太陽と火星
の間の角度の変化状況を調べて、事前確率を
計算するのです。この54年間の天体の動きの事前確率の研究で判明したことは、図で示すように太陽と火星
の角度差が0度(コンジャンクション)の発生率が角度差180度(オポジッション)の発生率の約5倍も多い
という事実です。この期間に実際に発生した546件の航空機事故の場合の太陽と火星の角度差を5度きざみ
で記入した右の図で角度差が少ないほうで事故が多数発生し角度差が多いほうは事故の発生が少なくなって
います。左図の事前確率を考えない人は単純に太陽・火星の角度差15度で事故発生率が高いという誤った
結果を報告することでしょうが、実際に確率を計算すれば、角度差120度トラインの近くで事故発生確率が最大値になります。
The illustration in the above right indicates the prior probability on the angles formed
between the Sun and Mars in the particular period of 54 years from 1921 through 1974 that the
statistic analysis on 576 cases of the world wide aircraft disasters recorded. The reader
will find the wide difference in the prior probability of Sun-Mars angles that indicates the
high rate of occurrence in zero degree or conjunction aspect found. This is almost five times
higher than the occurrence of Sun-Mars angles in 180 degrees or opposition aspect observed.
In the illustration of above left, actual distribution view of Sun and Mars with five degrees
steps is shown. Without having a proper knowledge on the prior probability studied in the
above right view, one might make an elementary error of misunderstanding that the angles
of 15 degrees could be a peak of occurrence of disasters found. After processing with a
step of calculation on the prior probability, the result of study indicates a peak of
occurrence at the degrees found in 120 degrees or trine aspect instead.
天体のアスペクトは専門研究の大分類でリンクします。 事前確率の第4の例は次ページです。