AFA会報 5  AFA BULLETIN 5 石川源晃著
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 基本に帰る・石川源晃
 米国占星学者連盟・AFA会報
 (今日の占星学者)
第64巻第1号・2002年1月13日


紀元前2世紀ころのバビロニア時代の精神論の高まりを受けて、占星学による予測技術は、その場限りの 占いの的中を証拠にして、あまりにも細かい表現を追い求めるようになりました。
現在のわれわれが使用 している占星学の法則は、メソポタミ北部の紀元前八千年ころの古代シュメール人の文明を基本的な考え にしたものです。
シュメール人・For Sumerians
占星学をはじめとして、われわれの日常の生活には数字12を区切りとして使用するものが多数に存在して いますが、これは古代シュメール人の風習を受け継いだものです。
商業と貿易の才能があった古代シュメール人は夜空の星を目標にして長距離の旅をしていました。彼らは 木星が12年の周期で空を一周することを知って、毎年の木星の位置を空の目印にして、多数の星や惑星の 位置を表示するようになりました。
空の星をつなぎ合わせて、想像上の絵図面を天空に描いて星座としていた古代シュメール人は人類最初の 絵文字を発明しました。この絵文字は紀元前2世紀ころまでに、複雑な「くさび型文字」に発達しました。
クサビ型文字・For cuneiforms

太陽の通り道の黄道(こうどう、エクリプティク)には16個の星座が存在していますが、そのうちの12 星座だけを使用するのは古代シュメール人の風習に従ったものです。 商品12個を1ダースとして整理することは、メソポタミアで発見された紀元前四世紀、またはもっと古い 記録で確認されています。
午前と午後を12時間に分ける方式と同じように、12個の星座を使用する問題を自然科学の知識で考える ということは無意味なことです。このような風習は技術的に便利だから人間の約束として使用しているのであって、精神面 の意味がある特別な行動ではないのです。
ある星座(サイン)に特別な意味を持たせるという占星学の法則は単純に、午後5時に友人と会合する約束をすると同じ程度の習慣的な意味 が存在するだけのことであり、科学的には未だ証明が出来ていない問題なのです。
なお、エジプト人のように、特定な星シリュースに対して特別な憧れを持つということを除外すれば、 天空の固定星(恒星)を分かりやすい「空の目印」として使用する技術は、古代シュメール人の功績のおかげです。



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